バンドマンこそ手に職を!私が未経験からデザイナーになった方法

バンドメンバーが普通に会社員だから、自分がフリーターでいる理由がほとんどない。時給安いぶんむしろデメリットしかない。

大の男が3人も4人も集まれば、バンドマンといえども中にはリスクマネジメントをきちんと考える人間が混ざってくるもの。しれっと新卒でそこそこの企業に就職していたりします。

「平日休めない…」などと言われればライブの日程は土日祝。
「スタジオは平日なら21時以降で1時間だけ…」なんて制約も生まれます。

それでもメンバーにはこれまで育んできた強い絆があります。
会社員よりフリーターの自分のほうが調整効くもんな…とあなたは自分のシフトを調整します。

土日祝の夜なんて一番休みにくいのに!
平日夜間なんてシフトの一番多いところなのに!

「こうなったら自分も就職したほうがみんなの休みが合わせられていいじゃん。」
と思ったは良いものの、基本的にはやりたいことばかりやってきたため履歴書に書けるような強みが全然ありません。

このままではブラック企業の使い捨て営業マンか、バッキバキにハードな肉体労働が待っています。

あくまであなたの生活において、中心にあるのはバンドです。
クリエイティブなマインドを持続させるためには、あまり日常生活で疲弊しすぎるのは考えものです。

とはいえ、どうせ働くなら楽しく働きたい。
欲を言えば、なにかバンド活動とリンクさせられるものはないだろうか…

そうだ、ライブのフライヤーやホームページを自分で作って、そのスキルを元にデザイナーを目指したらどうだろう?
それなら、仕事で得たスキルがそのままバンド活動のクオリティアップにもなる!
なによりクリエイティブでカッコ良さそう!もしかしたら後々フリーランスで食っていけるかも?!

というような感じの方は多いのではないでしょうか。
私がそうだったんですけど…
一見、ふわっふわで現実を見れていないようですが、ちゃんと取り組めば実現するよという実体験をもとにその方法を紹介します。

デジハリオンライン講座の受講でAdobe製品を学割で使う

出典:https://online.dhw.co.jp/course/adobe/

今でこそAdobe Creative Cloudなんていうサブスクリプションのサービスができて初期投資はほぼなくなりました。
しかし、私がこの状況にいるときはAdobeのCreative Suiteが30万円とかだったんですね。デザイン業の参入障壁のひとつに「Adobeソフトを購入すること」が実際にあったんですよw

そんななか、当時も学割はものすごい割引率で、デジハリオンラインの受講料+AdobeCSの学割価格=AdobeCSの通常価格 みたいな割と意味のわからないことになっていました。
30万円のローン組んで受講しましたよ…。

で、後日デジハリさんからオンライン講座で使用するテキストがどっさりと送られてきました。

実はそのテキストは市販もされているんですね。

[amazon asin=”4774145866″ kw=”Webデザイン HTML&Dreamweaver CS5 (「デジハリ」デザインスクール)”]

[amazon asin=”4774176729″ kw=”グラフィックデザイン Illustrator & Photoshop (デジタルハリウッドの本)”]

こんな感じのやつです。

現在も形は変わりながら29,800円の受講料でAdobeCC 1年分がついてくるということなので、ただAdobeCCを契約するためだけに受講してもお釣りがくる感じです。良い時代になりましたね…。

まぁこれくらいのお金はさくっと払いましょう。
エフェクター1台我慢orライブの打ち上げの二次会に行くのを何回か我慢すればスタートラインに立てますよ。立つしかないですよね。

ただ説明を見た感じ、今は動画教材だけで紙のテキストは付いてこなそう。

マルチモニター環境の人でもない限り、PCの画面はデザインソフトだけ開いておいて手元にテキストがあったほうがやりやすいんじゃないでしょうか。
基本のテキストは買っておいて損はないと思います。

実務経験が必須の求人ばっかり!それならフリーランスで実務経験をつけよう

さて、晴れてAdobeソフトも使えるようになってきました。

一通りオンライン講座のカリキュラムも消化したあなた。

さっそくどこかの求人に応募してみようと思いますが、立ちはだかる実務経験必須の応募条件!!

未経験者歓迎、なんて書いてあるものもあるにはありますが、そもそもがフリーターなので同じ未経験者同士の争いでも書類上不利…。

圧倒的にセンスが良いデザインができれば関係ない!と思っても、まだ勉強したてなので実際そこまでクオリティの高いものは作れないと思います。

というわけで、レベルアップと実務経験はあります!と言い張るだけの実績作りのためにまずはフリーターと兼業でフリーランスを名乗ってしまいましょう!!

お客さんがいて仕事を請けていれば立派なフリーランス

デザイナーといってもいろいろな仕事があるもので、アパレルメーカーの新ブランドサイトを作るようなイケイケなものもあれば、個人商店のサイトで地に足がついたコンテンツを追求したりすることもあります。

なので、「あなたが所属するバンド」からフライヤーやCDジャケット、webサイトの仕事を特別サービス0円で受注するところからスタートしましょう!

何事も考え方次第です。

とはいえ、全部が全部自作自演ではスキルも伸びていきません。

ぜひ、最初に作った自分のバンドのデザイン成果物を持って仲間のバンドや馴染みのライブハウスに売り込みましょう。

アマチュアバンドやライブハウスはデザインにまわす金がない

自分の立場で考えてみてほしいですが、最悪CDジャケットはあまりみすぼらしいと売れなそうなのでちょっとデザイナーにお金を出してもいいかな…と思ったはずです。

ただ、毎月のライブブッキングの際に手配りするフライヤーにまでお金を出すでしょうか?

出さないですよね。いや、出せない。

ライブハウスも同じで、都心のよっぽど大きいところは別かもしれないですけど、大抵スタッフが見よう見まねで作ったものだったりしますよね。
3ヶ月デザインについて考えて手を動かしたあなたなら、見ればわかると思います。

そういうデザイナーの手が入っていないところに、タダか格安でまずやらせてもらいます。

知らないバンドの人にも「あのバンドの〜くんは頼めばデザインやってくれるらしい」くらいに認識が広がればOKです。

いつまでもただ働きをしていてもストレスがたまるし仕事に責任を持たなくなるので、途中から少額でもお金をもらうと良いですね。

どこかのバンドの主催イベントとかだとそれなりに見栄をはりたいはずなのでちょっとお金を出してくれる可能性が高いです。5,000円とかw

何件かデザインしたらポートフォリオにまとめて、「未経験者歓迎」の求人に応募しよう

さて、いくつかフライヤーやCDジャケットを作ったら、それらをまとめて作品集にしましょう。ポートフォリオなんて言ったりします。

「実務経験をつけよう」と言っていたのに「未経験者歓迎の求人に応募しよう」だなんておかしなことを言うなとお思いかもしれませんが、忘れてはいけないのは自分がフリーターであること。ただの実務未経験者ではないということです。

基本的に履歴書がイマイチです。

なのでなるべく同じ土俵で戦ってはいけません。

実務経験がないもの同士の戦いの中で、「フリーランスではあるが実務経験はある」ここをアピールポイントにします。

私はこの作戦で地域のフリーペーパーを発行する会社の広告デザイナーとしてまずはバイトで雇ってもらいました。
そこから社内のwebサイトの開発要因として正社員登用してもらったので、とにかくまずは入り込むことが大切かなと思ってます。

あんまりがっつり「転職!」っていう感じの求人メディアより、バイトも正社員も扱ってるよっていうところのほうがそういう案件は見つかりやすいんじゃないでしょうかね。

ちなみにクラウドソーシングはおすすめしません。

あの世界は先行者優位がすごいのでそうそう新参者は受注できないですし、できたとしてもものすごい価格競争に巻き込まれますよ。

あと、ダイレクトメッセージで直接取引をもちかけられた場合も注意です。

利用規約を軽々と無視する相手なので、制作費の振込遅れ・未払いなどのリスクが爆上がりします。ほんとうに…。

まとめ:バンドマンが未経験からデザイナーになるのは可能!!

ずいぶんみみっちい話でしたでしょうか?

でもこれがフリーターバンドマンの現実です。

夢のためとはいえ、自分が一般社会において一歩出遅れている存在であることを認めること。

そしてそれを理解した上で、その立ち位置でどうやって戦っていくかを考えること。

これが大切かな〜と思います。

べつに「おれフリーターだし…」とか「美大とか専門学校出たわけじゃないし…」とか腐る必要はないんですよ!!

たしかに、そういう教育を受けてきたデザイナーを羨ましく思う瞬間はあります。

なんだったら、職業訓練を受けてきた人だって羨ましいときがあります!

でも実際に手を動かしてお客さんに喜んでもらえるものが作れれば、ブランドのデザインをやるような花形デザイナーじゃなくても、お店のメニュー表や小さな広告を作る仕事でもデザインをする喜びは得られます。

そこにどういった経歴があるかは関係ありません。安心してください。

とにかく、まずは飛び込んでみることだと思います。勇気を出して!

以上、「バンドマンこそ手に職を!私が未経験からデザイナーになった方法」でした。